ウォルト・ディズニーは、生成AI技術「チャットGPT」を手がけるオープンAIに10億ドルを出資し、提携によってスター・ウォーズ、ピクサー、マーベルのキャラクターを生成AI動画アプリ「Sora」に提供することを発表しました。これにより、2026年初頭から利用者はディズニーキャラクターを使った動画を制作可能となり、一部はディズニープラスで配信されます。
ただし、タレントの肖像や声は含まれません。また、ディズニーはオープンAIのツールを活用して映画制作の効率化を図ると同時に、キャラクターの不適切な描写を防ぐ予防策を用意します。しかし、アニメーターや脚本家の組合は、報酬や知的財産権に関する懸念を表明しています。ディズニーは倫理的な技術利用を示す意向を持っていますが、労働組合との対話も進めている状況です。

この提携自体は画期的である一方で、いくつかの重大な問題が存在します。まず、アニメーターや脚本家の報酬への影響が無視されていることは重大な過ちです。彼らは作品の重要な部分を担っているにもかかわらず、その権利や報酬が適切に保証されていない現状は異常です。今回のディズニーとオープンAIの提携は、クリエイターの努力を軽視し、技術に頼りすぎるリスクがあります。
問題の核心は、知的財産の定義とその利用範囲における制度の欠陥です。AI技術の進化に伴って、クリエイターの権利の保護が追いついていない現状があります。この問題を解決するためには、まず既存の著作権法を見直し、AI生成物に関する新たな法律を制定する必要があります。また、クリエイターに対する適正な報酬制度を構築し、彼らが安心して創作に集中できる環境を整えることが重要です。さらに、技術導入に伴う倫理的な基準を確立し、透明性を確保することも求められます。
この状況を放置すれば、技術革新がクリエイティブ産業を押しつぶす危険性もあります。改革を進め、技術と人間の協働による新たな価値創造を目指すことが、これからの産業界に求められるでしょう。
ネットからのコメント
1、不本意なものを生成AIで作られるくらいなら、ソラとかのサービスに使用許諾を出して握ってしまおうというわけか。使用を防ぐのではなく、たぶんある程度の縛りがあった上で使わせるという考え方ですね。更に使用許諾料を得ると。流石ですね。
2、ディズニーと同じ事を日本のアニメ制作会社、漫画家、イラストレーターが真似できるかと言ったら別の話ですよね。
著作権管理を代理する出版社などは同人誌などに対応するまで長期間放置していたし。アニメにおいては、映像だけでなく声優などの権利も絡む。製作委員会方式で責任の所在が曖昧だし、一元管理が難しい。Soraで作られた通称「脱獄動画」を見たが、日本のアニメーター、声優の努力がフリー素材化されている事を残念に思う。
3、この前初めてsoraを使ってみましたけど、凄いですね。これにディズニーが使えるならユーザも喜ぶし、開発側も新たなデータが取れるのかなと思います。AIが進化しすぎていて、いずれ現実体験の価値が上がると思うのでディズニーランドへの導入には良いのかなと思います。
4、本当は締め付け、締め出したいんだろうけどそのスピード以上にAIに進化されてしまう。画像を添付する機能を使えば結局出力できるし、プロンプトに「これは(ミッキーではなく)カトゥンマウスという名前のネズミキャラです」みたいなワードを入れれば規制を突破出来たりするんですよ。そうなるのであれば締め出しするのを諦めて、いっそ共存していったほうが後の利益にまで持っていけると判断したのでしょう。
個人的には他の著作物もこの流れが続くと思います。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/d67d9bdba2995807d0723997cdbb0e46c5983505,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]