最低賃金引き上げが過去最大の63円（6.0％）で決定され、全国平均は初めて1,100円台となり、最終的に1,118円となる見通しです。物価高を反映し、労働者側の生活実態が反映された結果です。しかし、急激な引き上げには「副作用」が懸念されており、中小企業の負担感や人手不足の悪化が予測されています。特に、中小企業ではコスト転嫁が難しく、経営への影響が懸念されています。

政府の目標は2020年代に全国平均1,500円を目指すものの、達成には高い引き上げが必要で、企業側の反発も強い状況です。 OECDのデータでは、最低賃金の水準は先進国の中で低く、格差解消への期待もありますが、その道のりは不透明です。

最低賃金の引き上げは、必ずしも単純な解決策ではなく、その背後には複雑な問題が隠れています。今回の急激な引き上げは、物価高と生活費の上昇に対する緊急の対応として、仕方がない部分もあります。しかし、それが中小企業の経営を圧迫し、結果として雇用に悪影響を与える可能性があるのは、非常に懸念すべき問題です。政府が掲げる目標を達成するためには、最低賃金の引き上げだけでなく、同時に中小企業への支援や生産性向上のための政策が不可欠です。価格転嫁の支援、業務の効率化、事業承継のサポートがなければ、過度な引き上げは逆効果となる恐れがあります。

企業側と労働者側の間で、より現実的でバランスの取れた議論が必要です。

ネットからのコメント

1、最低賃金の引き上げが必要なのは間違いありません。ですがそれと同時に各種年収の壁も引き上げ無くては意味がありません。労働者が足りないのは間違い無いのですから、最低賃金引き上げで働き控えが起こっては困りますからね。まあ、政府としては健康保険や年金や税金を払って欲しいのでしょうが、扶養の範囲で働くパート労働者は圧倒的に主婦層です。当然ですが出産や育児の世代とも重なりますから、年収の壁を上げるそれに変わる何らかの補助が必要でしょう。それこそ主婦層が扶養を抜けてもしょうが無いと思える程度のものは必要です。中小企業の負担がと言う問題もありますが、それについては無視でもかいまいません。これから人口が減り消費者も減り労働者も減って行きます。最低賃金程度の賃上げに対応できない様な企業はどの道必ず潰れます。補助金で助けても意味がありません。もう社会の構造そのものが変わって来ているのです。

2、最低賃金だけあげても所得税非課税ラインは103万円のままなので、、、週20時間以上働けなくなるだけですね。

働き控えが先ず発生します。都市部では労働力が足りないと言うより働くと罰金で税金取られるので働かない人も多い。所得税控除のラインと働かせない改革を見直して日本国の労働力を再創出すべきかと思います。その上で採点賃金は上げて行けば良い。地方はこのままだと雇い控えをして受けれない仕事はもうやらないが正解になると思われます。

3、賃上げはもちろん必要だけど、人件費を上げた分だけ利益を更に得ないといけないんだから同時に値上げにも繋がる結局市民にも値上げ負担として返ってきて生活が楽になることはないと思う重要なのは国民の手取りを増やすことで、その負担を企業に丸投げするのではなく政府も減税と言う形で後押しすべきだと思う

4、昨年の最低賃金改定から1年も経たない話ではありますが、昨年1県だけ84円も最低賃金を引き上げた徳島県は、因果関係としてはわかりませんがやはり中小企業の倒産件数は平均や周辺の県より多かったそうです。ですがあくまでも平均より低いというレベルでした。一方失業率は0.1％下がっているそうで、中々分析が難しい状況にあるようです。

研究では最低賃金は上げるのはポジティブな効果になりますが急激に上げすぎると失業率の低下を起こすようで10％の最低賃金の引き上げは0.2～0.6％程度の失業率上昇をもたらすという話もあります。今回は6％超の引上げなのでどの程度の影響かという話ですね。賃金上昇は失業率と名目の経済成長と実質賃金でバランスを取る必要があります。基本的に賃金が上がっていくのは賛成ですが、先に目標ありきで無理な水準にするのは本末転倒ですし、いよいよ103万の壁を何とかしないといけませんね。