6月7日、長崎県・五島列島西方海域で約9年ぶりに再開された海上自衛隊と韓国海軍による捜索・救難共同訓練(SAREX)は、2018年の韓国海軍による海自哨戒機へのレーダー照射問題以来停滞していた日韓防衛協力の再始動を象徴する出来事となった。海自のイージス護衛艦「こんごう」と韓国海軍の揚陸艦「天子峰」が参加し、遭難船舶への対応や情報共有、相互運用性向上を目的とする訓練を実施。この背景には北朝鮮の核・ミサイル脅威、中国の軍事的台頭、そして米国の同盟政策における不確実性がある。日韓両国の防衛相会談で示された改善の道筋に基づき、今回の防衛協力は一歩前進したが、歴史問題などの政治的制約も依然として障害となっている。
日韓防衛協力の過去の不和や北東アジアの複雑な安全保障環境を考えると、本件で注目すべきは、防衛協力が日韓双方のみならず地域全体の安定につながる可能性と、それを阻む課題の克服だ。9年ぶりの訓練再開は一歩前進ではあるが、いまだ根本的な問題が横たわる。まず、レーダー照射事件の再発防止策についての明確な説明が両国政府から為されるべきだ。
次に、ACSA(物品役務相互提供協定)など、より具体的な防衛協力の進展に向けた政治的障壁の解消が必要だ。さらに、歴史問題を乗り越えるための真摯な対話が、日韓の防衛協力強化の前提条件となるだろう。
協力が求められる安全保障環境下で、両国の歩み寄りは歓迎されるべきだが、曖昧な進展は本質的な解決を遠ざけるだけだ。問題の根幹を見据えた取り組みこそ、北東アジアの安定を実現する鍵となる。
ネットからのコメント
1、「関係改善」と報道されていますが、レーダー照射の事実関係をうやむやにしたままの連携は、現場で命を懸ける自衛官に理不尽なリスクを押し付けているように感じます。今回の通信訓練が基礎的なレベル(LINKEX)にとどまっているのも、情報漏洩のリスクがある相手には、日米で共有しているような心臓部のデータ(Link16等)を絶対に渡さないという「システム上の防衛線」が引かれているからです。相手が今回、主力駆逐艦ではなく揚陸艦を出してきたのも、過去のトラウマを刺激しないための政治的なリスクヘッジですよね。
表面的な友好ムードに流されて機密情報まで共有するのではなく、自衛官の安全と、防衛網を守るための冷徹なシステム管理を維持していただきたいです。相手の信用度に応じた堅実なリスクコントロールが重要ですね。
2、レーダー照射という極めて危険な行為に対して、ろくに追求せずにうやむやにして解決を図るのは、結局やったもん勝ちの状況になるんじゃないでしょうか?そのような国と本当に協調して作戦遂行ができるのか疑問です。有事の際、逆に敵側に寝返り攻撃してくる可能性もあるのに、共同訓練して意味があるのでしょうか?
3、「保守」ってなんだ。レーダー照射問題を棚上げにして、韓国軍と共同訓練する事なのか。竹島の日に約束した閣僚も派遣せずに、韓国の不法占拠を黙認することか。世界中にばら撒かれている慰安婦像が撤去され無いことも黙っていることか。そんなに日本が一方的な我慢を強いられる関係に、どんな未来があるのか。政府は日韓の間に過去から積み上がってきた問題全てを無視して我慢することを国民に強いるのか。私はこんな健全ではない友好は、長く続かないと思う。
4、レーダー照射事件については、韓国側は全面否定し、むしろ日本側に責任を押し付けていたと記憶してますが、その後韓国側の謝罪があったから今回のように共同訓練をしているという認識で合っていますか? 国民はそのような続報は聞いていませんが。もしも、レーダー照射事件の真相を有耶無耶にしたまま今回の共同訓練をしているのであれば、それは絶対にあってはならないこと。韓国という国は、レーダー照射事件以外にも、竹島問題や慰安婦問題の解決後に一方的に反故にするなど、一方的に国際法的に罷り通らない事を「日本が相手だといくらでもやっていい」という態度を取っており、また一方で困った時には日本に頼ろうとしたり協力的な姿勢を取ったりします。ボールは韓国側にあるのだから、投げ返して来るまで対応しないという姿勢でいないと、いつまでも日本は外交音痴のままですね。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/f6ec7902e0cab90c38f5da66ecdb09e6f60623aa,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]