事件概要：2023年8月21日、ガソリン税の暫定税率廃止をめぐる与野党の3回目の実務者協議が行われた。この「暫定税率」は1リットルあたり25.1円を上乗せする制度で、1970年代から続いている。8月に野党7党が11月1日より廃止する法案を提出し、補助金と暫定税率の段階的調整を提案。一方、政府は暫定税率廃止が約1兆5000億円の税収減を招き、財源確保が不可欠と主張。

補助金増額も予算不足を懸念している。税制の二重課税や財政負担の課題に加え、現行の「トリガー条項」の復活案も議論され、歳出削減や優先順位づけの必要性が強調された。

コメント：ガソリン税の暫定税率廃止問題は、税制の透明性と経済的公平性を問い直す契機だ。しかし、恒久的な財源の確保や歳出削減を怠ると、負担を次世代に押し付ける「ツケ回し型」の税制に逆戻りする。税制における二重課税が適切でないのは明らかだが、制度廃止に伴う1兆5000億円の税収減への対応策が曖昧であることに危機感を覚える。現状、社会保険料や所得税といった優先すべき税体系が据え置かれたまま、ガソリン税だけに議論が集中するのは本末転倒ではないか。

本質的には、税制の整合性を保ちながらも、国民生活への悪影響を最小限に抑えられる制度設計が不足している。第一に、数十年前に凍結された「トリガー条項」を条件付きで復活させ、価格上昇時の緊急緩和策として機能させるべきだ。次に、廃止対象をガソリンに限定するのではなく、包括的な燃料税全般の見直しを行うことで、長期的な健全性を確保する。最後に、歳出面でのスリム化を図り、必要以上に拡張された予算を効率化することで税収減に対応すべきだ。

問題の多層性を軽視し、単純に「減税ありき」で進めば、日本財政そのものが崩壊するリスクを抱える。暫定税率の廃止は、税制全体の改革とセットで進めるべきであり、痛みを伴うが、持続可能な財政構築の歩みを止めるべきではない。さもなければ、将来の国民が払う代償は今よりもさらに膨らむだろう。この機を逃さず、徹底的な議論が求められる。

ネットからのコメント

1、暫定税率を廃止しするのに他の財源って変だよ。減税した事にならないし。本来で有れば予算の組み替えで生み出すべき。あまり有効でない等の不必要な予算配分も止めたり国内外への補助金も見直せばかなりの減税が出来るはず。

今回の暫定税率廃止は軽油は除くとか言ってるが経済の事を考えたら軽油の暫定税率も廃止すべき。物流コストが下がれば物価対策にもなるし、そこから経済の好循環が生まれれば減った税以上の税収が得られると思うのだが？消費税も廃止すれば更に経済の好循環が起こる。なのに頑としてやらないのはなぜか？日本の政治家は帰化人が多く日本をダメにする為に政策をしてる様に思える。

2、供給力こそが健全な経済の証。30年間も緊縮財政をやったせいで国民は将来不安から節約思考に陥り、企業はせっせと内部留保に励み投資を怠り経済が鈍化した。この逆をやらねば日本経済は復活しない。とにかく国民にお金をもたせないと経済は回らない。税収とは本来的には儲かったお裾分けとして頂戴するものであり、貧乏人から取るものではない。まずは国民を豊かにすることが最優先。税収は後から勝手についてくる。そんなに財源が大事なら法人税を上げれば済む話だ。

3、そもそも暫定だったものがなし崩し的に半世紀も続き、いつの間にか当然のようにアテにされた税収であることが問題。加えて国民から巻き上げるだけ巻き上げて自分たちの私腹を肥やすなんてあり得ないわけで。

国民だって、何でもかんでもクレクレ言っているわけではない。どちらかといえばクレクレは議員の方。自民はそのあたりを全く理解していなかったので、今回の選挙結果になったのに、未だに理解できていない。

4、代替財源とかじゃなく歳出もメス入れたら？高齢者医療費を1割から2割負担にするとか。高齢者の中には施設に入るお金がなく、家で食事を作るのも困難なので病院でそれなりの病名を付けてもらって入院し、永遠に入院は無理なので3ヶ月で一旦退院し翌日からまた入院される方が一定います。こうやってかかる医療費は現役世代に重くのしかかる。そう言う意味でも病床削減も可能です。自分自身も高齢者の仲間入りをしてから自力で生きる力と財力が無くなれば散る覚悟はできている。今の日本は生かされる事で世界トップクラスの平均寿命と引き換えに現役世代が疲弊してしまっている。ここまで高齢者優遇なところはほかの国では無いです。