マレーシア政府は2025年の新車販売台数で東南アジア首位を維持するため、2023年7月から電気自動車(EV)の輸入規制を開始。輸入可能なEVに最低価格20万リンギット(約800万円)を設定し、店頭販売に物品税を加算する実質的な制限措置だ。この背景には中国メーカーの低価格EV流入による市場混乱を防ぎ、国内の国民車メーカーであるプロドゥアおよびプロトンを保護する狙いがある。さらに、外資に国内工場建設を促し、マレーシアのEV市場を国内中心に構築する目的も表向きは掲げられている。この政策転換は産業の健全性維持に寄与すると期待される反面、外資排除や価格高騰への懸念も伴う。

本規制策にはいくつかの問題が明確に浮かび上がります。一見、国内産業保護を目的とした施策のように映りますが、その実態は競争抑制の助長と外資締め出しで、市場自由化の流れに逆行しています。
本質的な問題は、制度が恣意的に特定のプレーヤーを優遇し、消費者に対する選択肢や価格競争の削減を強いることです。それは、国内産業成長を名目に、消費者がそのコストを負担する不公平な市場構造を容認することに他なりません。
対策としては、第一に、外資規制ではなく、国産車の生産力強化や競争力向上に直接予算を投じることが求められます。第二に、消費者利益が保護されるよう、価格規制や基準適合審査の透明性を確保すべきです。第三に、外資との連携を進め、技術移転や人材育成を通じて長期的な国内産業基盤を築くことが重要です。
市場健全性を理由に規制を正当化するのであれば、消費者への恩恵が伴う改革が必要です。競争を封じ込める施策は短期的な国内産業のリスクを軽減するかもしれませんが、その代償が消費者への負担と市場活力の減退だとすれば、それは真の解決策とは程遠いのです。鋭い視点での公共の監視が、今こそ求められています。
ネットからのコメント
1、インドネシアに中華BEVが進出した頃、インドネシア外相が来日して「日本メーカーもBEVをインドネシアで現地生産しなければ、居場所を失うぞ」と半ば脅し文句のような事を言ったのを思い出しました。
それからマレーシアの国民車プロトンは、三菱自の支援で生産開始したのに、軌道に乗ると欧州メーカーと提携し、今では中華メーカー傘下になった。東南アジアへの協力支援、進出は、本当にリスクがあると思います。
2、東南アジア市場は、トヨタ、ホンダ、日産が何十年もかけて地道に根を張ってきた重要な市場だ。自動車産業は、日本に残された最後の経済的支柱だ。今の日本経済を支えている最大の土台と言ってもいい。もしこの柱まで崩れたら、日本経済は本当に終わる。世界のパイは限られている。中国車が売れれば、その分だけ日本車のシェアが削られるのは当然だ。何も感じない方がおかしい。日本はかつて、製鉄、造船、化学、精密機械、家電、光学、産業部品など、多くの分野で世界トップクラスだった。だが今や、そのほとんどが衰退した。だからこそ、自動車産業まで揺らげば、日本経済そのものが崩れていくんじゃないかという危機感がある。これは感情論じゃない。現実をそのまま言っているだけだ。
3、安くて適当に使えるものってのはどの国でも売れるんだけど、どこかで安物買いの銭失いということに気がつく。
安物の樹脂製品は外に置いておけば紫外線でボロボロになるのと同じで自動車、特にEVはバッテリー劣化の問題がある訳で、リセールも東南アジアでさえ日本車と比較して低く見られていると聞く。EVの快進撃というが、優遇措置やリセール、サービス等を含めないで考えたら意外と競争力は無いのかもしれない。
4、東南アジアでは、数年前には日本車が9割近いシェアを握っていたのに、昨年は中国勢の攻勢を受けて6割台まで低下したと報じられています。加えて、ホンダ、日産、三菱がタイ工場の集約や生産縮小に動いているとも伝えられています。さらに、シンガポールでは去年、これまで首位だったトヨタが陥落し、BYDが首位に立ったと報じられました。かつて“ドル箱”とまで言われた東南アジア市場でも、日本勢は今やBYDをはじめとする中国メーカーに押され、厳しい立場に追い込まれつつあります。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/c03cac8301c0fda2c5bf80af82f5632eaad305b7,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]